国内初!BSIグループジャパンがAS/EN 9110を認証
~整備分野向け航空宇宙品質マネジメントシステム規格~
2019年11月19日
BSIグループジャパン株式会社(本社:神奈川県横浜市西区みなとみらい、 代表取締役社長:根本 英雄/以下 BSIグループジャパン)は、日本国内で初めてAS/EN※1 9110(整備分野向け航空宇宙品質マネジメントシステム規格※2)を認証しました。(認証登録日:2019年11月8日)
近年の海外の航空宇宙業界においては品質マネジメント規格を会社が所有しているのは取引上の必須条件となる場面が多々増える中、日本国内においては長きにわたり各社が独自のメソッドで品質管理をしているケースが続いていました。高い信頼性と品質を担保していることを客観的に証明できる品質マネジメント規格の取得は、日本全体で今後も増加することが見込まれています。
BSIは航空宇宙品質マネジメントシステム認証のリーディングカンパニーの1つとして航空業界から信頼できるパートナーとして選ばれています。現在、BSIグループジャパンは航空宇宙品質マネジメントシステムのなかでも特に修理・点検・整備会社向けの規格 AS/EN※1 9110と、商社・倉庫・運輸会社向けの規格 AS/EN※1 9120に力を入れており、海外のみならず国内の航空業界においても信頼できるパートナーとして選ばれることを目指していきます。
AS/EN 9110(航空宇宙品質マネジメントシステム規格※2)の特長
- AS/EN※1 9110は製造者向けのAS/EN※1 9100をもとに、MRO※3業務に必要な要求事項に特化している
航空関連のMRO※3業務は多くの人命に多大な影響を与える業務であるため、非常に厳格な運用が求められます。そのため、AS/EN※1 9110を使用することにより、MRO業務に求められる品質マネジメントシステムを構築し、認証によって品質・パフォーマンスの向上が出来ます。また、取引の際は品質マネジメントシステムの確認をする際、認証によって組織の品質マネジメントシステムの有効性を示すことが可能となります。 - AS/EN※1 9110はグローバルでMRO※3業務をする場合には取得していることが望ましい
MRO※3業務における、公的な制度として認定事業場制度があり、この制度は航空機の耐空性の維持・管理業務に直接係る事業者が対象となりますが、品質マネジメントシステムを評価し、また、それ以外の事業者の品質マネジメントシステムの構築及び評価する方法としてIAQG※4 がAS/EN※1 9110認証を取得することを推奨しています。そのため、グローバルでMRO※3業務をする場合にはAS/EN※1 9110認証の取得が求められます。
※1 AS/EN...9100シリーズ規格の発行が米国の場合AS、欧州の場合EN、日本の場合JIS Qとなる。AS/ENは技術的に同等であることが認められている。なお、9110/9120規格はJIS QではなくSJACとなる。
※2 航空宇宙品質マネジメントシステム規格...9100シリーズには、それぞれの分野向けに9100(製造)、9110(整備)、9120(販売・物流)の3規格があり、組織は認証範囲に適切な規格の認証を取得することになる。
※3 MRO...整備・補修・オーバーホール(Maintenance Repair Overhaul)のこと。 航空機やその装備品に 必要なMRO事業は、航空機の安全性維持と密接に関係しているため、その国際的な基本的枠組みはICAO(国際民間 航空機関)により定められている。
※4 IAQG...国際航空宇宙品質グループ。世界の主要航空機・部品・エンジンメーカーが設立した産業団体。
参考
AS/EN※1 9110の特徴的事項の例
- 安全方針・安全目標
ICAO(国際民間航空機関)からの通達を受けて各国の航空当局が展開中の整備分野における安全マネジメントシステムに整合していく観点から導入されている。 - 不正品
承認された又は受入れ可能な設計データ及び適用される法令・規制及び顧客要求事項に従って製造又は整備されなかった部品。一般的に模倣品は不正品に含まれる。
航空の安全上極めて危険であり、基準を満たしていない装備品が航空製品に使用されるのを防ぐための確実な管理法を航空機整備組織が持っている事が極めて重要であるため、AS/EN※1 9100で要求されている“模倣品”より厳しい国土交通省のサーキュラー6-014で要求されている“不正品”を管理するプロセスが要求されている。 - 人的要因
仕事を行う人は、環境要素(身体状態、生理的特徴、性格、ストレス、疲労、精神状態、コミュニケーション及び態度等)から様々な影響を受ける。このために、整備プロセスの安全性の確保には、“人的要因”に関する理解を深め、人と環境要素(他の要員、手順、データ、装置、施設、及び他の外因等)との間の安全に関わるインタフェースを確実にすることが求められる。